足元と足下の違いって何でしょうか?ともに「あしもと」と読みますね。おまけに足許って単語もあるし、『あしもと』に関する言葉は幾つもあります。使われ方もどんな時にどの漢字を使えばいいのかわからなくなります。ほら、
例えば、
・足元を見る
・足元をすくわれる
※↑間違いの指摘を頂きました。
「足元」を掬(すく)われる、は誤りでした。正しくは「足」を掬(すく)うが正しい成句とのご指摘です。
訂正しお詫び申しあげます。
また、雨が降ったり雪が積もったりした日の
電車やバスの乗り降りのときや、
結婚式など大勢のヒトが集まったときに
・お足元にご注意ください
・お足元に気を付けて
・お足元のわるいなか
って言う丁寧な?アナウンスもよく聞きますよね。
この、何気なく耳にする「あしもと」ですが、
実際、「あしもと」って言葉は
・どんな意味なのでしょうか?
それから、
・「お足元」と「お足下」
どちらの漢字が正しい使い方なのでしょうか?
気になってしまい調べて見ると、
「あしもと」は意外に興味深い内容でした。
この機会に、まとめておきたいと思います。
おしながき
使い方から見る「あしもと」の意味
日常的にも使われているので、基本的な意味は推測がつくかと思います。
そこで、辞書的な意味より使い方から見る「あしもと」
をまとめてみます。
NHKやTVキー局などが加盟する、日本新聞協会の新聞用語では「あしもと」の漢字は足下や足許ではなく、
「足元」に統一表記と記されていました。
足許に至っては、「常用漢字表」では「もと」って読み方は無し。
マスコミ関係では「足元」が主流です。
そして、その使い方は。。
足元 足下 足許の使い方
カンタンに説明すると、足下・・・あなたが立ったときにあなたの足で隠れる範囲。
例:足下を固める。足下に注意する。など
足元・・・足下(あしもと)の範囲をもう少し広げて、
「足の立っている、その場所」
足許・・・足元(あしもと)から、さらに範囲を広げて、
「足の立っている、そのあたりの比較的近い範囲」
どうやら、「足下」が地面に接している一番狭い範囲で、
次に、「足元」「足許」って順に面積が広がっていく
感じですね。
☆図にすると、こんなイメージでしょうか。
「足元に~」の意味はこんな感じ
足の裏の接地面積から考えると、例えば「あしもとに~」って場合、
1.「足元に~」の場合、
① お足元にご注意ください
あなたの立っている足の裏から、1歩くらいの範囲に注意してください
② お足元に気を付けて
あなたの立っている足の裏から、1歩くらいの範囲に気を付けて
③ お足元のわるいなか
あなたの立っている足の裏から、1歩くらいの範囲の状態が悪いなか
さらに、
2.「足許に~」の場合、
① お足許にご注意ください
あなたの立っている足の裏から、2~3歩くらいの範囲に注意してください
② お足許に気を付けて
あなたの立っている足の裏から、2~3歩くらいの範囲に気を付けて
③ お足許のわるいなか
あなたの立っている足の裏から、2~3歩くらいの範囲の状態が悪いなか
イメージが膨らんできます。
そうすると、結婚式で「あしもとの悪い中~」ってアナウンスが流れた場合は、
「足下の悪い中~」
足の真下が悪いのでなかなか移動できませんな。
⇒ 会場に来れない。
「足元の悪い中~」
道を良く見て歩く場所を選びながら移動。
⇒ 会場に来るのが大変だったのに。
「足許の悪い中~」
2~3歩ごとに悪い状態なので、悪いところをよけながら移動。
⇒ わりと大変だけど、まぁ歩けるでしょう。
このようになりますね。
☆参考
なんとも誤解を招きかねない驚きの言葉です。
「あしもと」の間違った使い方
驚きの「あしもと」ですが、こんな使い方も聞いたことありませんか?最初のほうにも挙げた、足元の使われ方です。
お足元にご注意下さい
これは「お」と「ご」の敬語が2重に使われていることから、
日本語の文法としては間違いってことになるらしいです。
文法的にはこの場合、二重に使われている敬語の
「お」又は「ご」のどちらかを取る。
・お足元に注意下さい
・足元にご注意下さい
余談です
ただし、余談になりますが、日本語でも皇族に使われる言葉で、
・御御足(おみあし)・・「御」が2つ!
人を敬って、その人の「足」をいう
女性語。
・御御御付(おみおつけ)・・「御」が3つ!
「おみそしる」と
「ぬか漬けなどの漬物」意味があり。
御御御付とは食するもとして
使われる場合が多く、
汁の部分より具の部分が強調
されている。
など、逆に正しい敬語として使われる言葉もあります。
言葉は、実に奥が深いですね。
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こんな「あしもと」も
株や投資の世界でも「あしもと」って言葉が使われています。金融や株式の新聞や雑誌の記事によく出てきます。
例えば、
「底入れ期待から足元では株価上昇が」
「景気は足元堅調」
「足元の株価が上回るとは…」
「足元の需要は…」
「足元の為替相場の動向」
「足元の景気の実態」
「米国の失業率が足元のN%より低下し…」などです。
意外と使われていますと、いいいますか、
もはや定番の言葉、言い回しとも言われます。
ドヤ顔している「あしもと」がいる気もします。
さて、この場合の「足元」はどんな意味を持つでしょうか。
ずばり、
将来はおいといて「目先」「直近は」。
もう少し具体的に言えば
「現在の」「当面の」「直近の」など、
だいたい、今、現時点を含めて最近って意味合いで
使われています。
「あしもと」が足の設置面積ではなく、
時間軸で捕らえていることになります。
そんなこんなで、まとめです。
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本日のまとめ
- 「あしもと」は「足元」でマスコミ関連は統一している模様
- 「足下」は足の裏のところ
- 「足元」は足の裏から少し広げた範囲
- 「足許」は常用漢字的には読めない。
- お足元にご注意も大事ですが二重敬語にもご注意ください。
そんな調べ物でございました。
コメント
足元を掬われる、は誤りです。
足を掬うが正しい成句です。
みみず様
ご指摘ありがとうございます。
確かに。
本文に付きまして、加筆訂正致します。
有難う御座います。