「夏休みの読書感想文、何を書けばいいか分からない…」
そんなあなたにおすすめなのが
吉野源三郎の名作『君たちはどう生きるか』です。
この本、ただのお堅い古典文学じゃありません。
むしろ、今を生きる中高生にとって
刺さる言葉や問いかけがギッシリ詰まっています。
感想文に書けるポイントが多くて、
読み終えたあとも自然と「自分だったらどう生きるか?」
と考えさせられる内容になっています。
この記事では、
あらすじのざっくり解説
- 感想文に使える心に残るシーン
- コペル君の成長から学べること
- 書きやすい構成のコツと書き出し例を紹介していきます。
迷いながらも感想文にまとめたことがあります。
あのとき考えた「正しいことって、なんだろう?」
という疑問は、今でも忘れられません。
というわけで、まずはあらすじから見ていきましょう!
君たちはどう生きるかってどんな本?|ざっくりあらすじをおさらい
『君たちはどう生きるか』は、1937年に出版された児童向け哲学書のような小説です。
主人公は中学生の「コペル君」(本名:本田潤一)。
彼が学校や日常生活の中で体験する様々な出来事を通して
「人間とはどう生きるべきか」を考えていく物語です。
特に特徴的なのは、
物語が「小説パート」と「おじさんのノートパート」で
交互に構成されていること。
おじさんはコペル君の成長を見守りながら、
出来事の意味や生き方についてノートにまとめ、
それを彼に手渡します。
たとえば・・
- 友人の貧困やいじめにどう向き合うか
- 自分の過ちをどう認め、どう乗り越えるか
- 社会の仕組みを知ったとき、自分はどう行動すべきか
どれも中学生のリアルな悩みとつながっていて
今の時代にも通じる問いばかりです。
「あ、自分にもこういうことあったかも」
って感じる場面がきっとあります。
印象に残るシーン1:「パン屋の主人に怒られるシーン」
コペル君が友人と一緒にパン屋の前で「あること」をしていた時
パン屋の主人にひどく怒られる場面があります。
一見ただのトラブルのように見えるけど
実はこのシーンがめちゃくちゃ深いんです。
おじさんのノートにはこう書かれています。
「人間として、自分のしたことの意味に気づくこと。それが生きるってことの第一歩だ」
つまり、
「自分の行動が相手にどう影響するかを考える」ことが
君たちはどう生きるかの出発点なんだということ。
「ただ怒られただけ」じゃなく
「なぜ怒られたのか」を自分で考える。
それが大事なんだってことですね。
実はこれ、大人でもできていない人がいるくらい重要なテーマなんですよ。
印象に残るシーン2:「いじめを見てしまったときのコペル君の葛藤」
もう一つの印象的な場面は
クラスメイトがいじめられているのを見たコペル君が
「見て見ぬふりをするか、助けるか」で悩む場面。
これはもう
読んでいて胸がぎゅっとなる。
たぶん、
多くの人が一度は似たような場面を経験してるんじゃないでしょうか。
コペル君は
「自分が正しいと思うこと」を選ぼうとします。
でもそれは、時に勇気がいること。
おじさんのノートでは、このように書かれます。
「正しさは、時に孤独だ。けれども、それが君の生き方になるんだ」
このセリフ、ズシンときませんか?
「正しいことを選ぶって、簡単じゃない。でも、それが自分の人生をつくる」
っていう考え方は、読書感想文でもしっかり書いておきたいポイントです。
感想を書く時のヒント:「わからなかったこと」「気づいたこと」を正直に
読書感想文って「すごく感動しました!」
だけじゃ足りないことが多いです。
でも、
「どこが分かりにくかったか」や「どこで立ち止まって考えたか」を書くのも
立派な感想。
たとえば・・
- 「最初は難しくて、何が言いたいのか分からなかった」
- 「おじさんのノートが少し説教っぽく感じたけど、よく考えると自分にも当てはまっていた」
- 「自分が同じ立場ならどうしたかな、と考えさせられた」
次のセクションでは、「感想文でそのまま使える構成サンプル」をご紹介しますね。
これをベースにすれば、あなたの言葉で書くだけでスラスラ書けるはずです。
そのまま使える!読書感想文の構成テンプレート(君たちはどう生きるか 編)
ここからは、中高生向けに「読書感想文」として使いやすい構成例を紹介します。もちろんコピペではなく、自分の体験や感情に置き換えるとさらに良いですよ!
【1】導入:この本を読もうと思ったきっかけ
たとえば、こう書き出してみましょう。> 「君たちはどう生きるか」というタイトルを見たとき、自分に問いかけられているように感じました。
> 夏休みの課題として読み始めた本でしたが、読んでいくうちに、「生きること」や「人間関係」について深く考えさせられました。
※この導入部分では、「どんな気持ちで読み始めたか」を書くと自然な流れになります。
【2】印象に残った場面とその理由
自分の印象に残った場面を1つ~2つ取り上げて、それに対して自分がどう感じたかを書きましょう。例:
> 特に心に残ったのは、コペル君がいじめの現場を見て、自分の正義と周囲との関係の間で悩む場面です。
> 私自身も、クラスで似たような出来事に出くわしたことがありました。
> そのとき、私は何も言えませんでした。だからこそ、コペル君の「行動しようとする姿」がとてもまぶしく見えました。
ここでは自分の経験と重ねると深みが出ます。 無理に重ねなくても、「自分ならどう思うか?」を書くだけでもOK!
【3】おじさんのノートから学んだこと
この本のもう一つの大きな軸は「おじさんのノート」。その中で印象に残った言葉や考え方をピックアップし、それをどう受け止めたかを書いてみましょう。
> 「人間はパンのみにて生くるにあらず」という言葉が紹介されていて、物を持つことやお金がすべてではないことに気づかされました。
> 目に見えない大切なもの――友情、誠実さ、勇気――を持っていることが、生き方に大きく影響するのだと感じました。
【4】この本を読んで、今の自分が考えたこと・やってみたいこと
最後のまとめでは、自分がこれからどう生きたいか、何を意識していきたいかなど、「前向きな未来の一歩」を書くと、読後の印象がグッと良くなります。> この本を読んで、自分の行動を一度立ち止まって考えることの大切さを学びました。
> これからは、「自分がどう生きたいか」を意識しながら、友だちとの関係や日々の行動を見つめ直していきたいと思います。
感想文を書くときの3つのコツ
1. 難しい言葉は使わなくて大丈夫**。自分の言葉で書く方が評価されます。
2. 感じたことに正解はない**。だから「素直にどう思ったか」が一番大事。
3. 自分と重ねる部分があると説得力が出る**。共感ポイントを探そう!
2. 感じたことに正解はない**。だから「素直にどう思ったか」が一番大事。
3. 自分と重ねる部分があると説得力が出る**。共感ポイントを探そう!
次は、実際にこのテンプレートを使った「感想文サンプル全文(1000字以上)」を書いてみました。
そのまま参考にしてもいいですし、構成のモデルにもなりますよ。
しつこいですが、
「君たちはどう生きるか」の中高生向け読書感想文(1000字以上)のサンプルです。自分の言葉に置き換えて活用してくださいね。
読書感想文サンプル 「君たちはどう生きるか」から学んだこと
この夏、「君たちはどう生きるか」という本を読みました。最初は宿題の読書感想文を書くために手に取ったのですが、ページをめくるうちにどんどん引き込まれて、読み終わったころには「この本に出会えてよかった」と心から思いました。
物語は、「コペル君」というあだ名の中学生の少年が主人公です。彼は日々の生活の中でさまざまな出来事を経験し、そのたびに悩んだり、反省したりしながら、自分なりの「生き方」を模索していきます。そんなコペル君を見守り、支えてくれるのが「おじさん」です。このおじさんが書き残すノートがとても印象的で、まるで自分に語りかけてくれているような感覚になりました。
特に心に残ったのは、いじめの場面です。コペル君は友人たちの行動に疑問を感じながらも、その場では強く言い返すことができません。けれど後になって、自分の行動を振り返り、悔しさを抱えながらも、誠実に向き合おうとします。
実は、私にも似たような経験がありました。あるクラスメイトが無視されているのを見かけたとき、私は「どうしよう」と思いながら何もできず、ただ見ていただけでした。そのときは自分に勇気がなく、声を上げられなかったことがずっと心に引っかかっていました。この本を読んで、コペル君の悩みや葛藤が自分自身の気持ちと重なり、思わず涙が出そうになりました。
おじさんのノートには、「人間として本当に大切なものは、目に見えるものではない」と書かれていました。たとえば、優しさや誠実さ、勇気といったものです。これらはテストの点数や賞状のように数字や形で表せないけれど、人間の価値を決める上でとても重要だと思いました。最近の私は、どうしても周りの評価や他人の目ばかりを気にしていたように思います。でも、この本を読んで、「自分の中にある大事なもの」をもっと信じたいと思うようになりました。
また、「人間はパンのみにて生くるにあらず」という言葉にも感動しました。これはつまり、生きていくにはただ食べ物やお金があればいいのではなく、心の豊かさや信念も必要だという意味です。この本は、ただの物語ではなく、自分自身の生き方を見つめ直すきっかけを与えてくれました。
これからは、「君たちはどう生きるか?」という問いを自分に投げかけながら、日々の生活を大切にしていきたいです。悩んだとき、迷ったときには、コペル君やおじさんの言葉を思い出して、自分が正しいと思える行動を選べるような人になりたいと思いました。
以上が、読書感想文のサンプルです。
このままコピペや印刷して提出…ではなく、自分の言葉や体験を交えて少しアレンジしてみてくださいね。
そのひと手間が、「自分の読書体験」としてより深いものになります。
次は、知ってると理解が進むこの本の「作者や背景情報のミニ知識」や「よくある質問」をまとめておきます。
感想文の資料として付けておくと、より説得力が増します。
作者や背景情報のミニ知識:知っておくと感想文に深みが出る!
早速見ていきましょう。著者は「吉野源三郎」って誰?
吉野源三郎(1899?1981)は、編集者・児童文学作家・評論家として活躍した人物。・ 戦前から戦後にかけて、子どもたちが自分の頭で考えられるような教育に情熱を注いでいました。
・この本は1937年に書かれ、**戦争の影が忍び寄る時代背景**の中で、あえて「自由に生きるとは?」というテーマを子どもに向けて投げかけています。
実は編集者でもあった
・ 「岩波少年文庫」の立ち上げに深く関わった人物で、多くの翻訳児童文学の普及にも尽力。つまり、子どもたちに“生きる力”を届けたかった人なんです。
宮崎は屋を監督の映画(ジブリ)との関係は?
・宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』(2023)は、**この本を下敷きにしたオリジナル作品。・ただしストーリーはまったく別物。映画は「本の精神を映像で再解釈した」ものと言われています。
◆ よくある質問(FAQ)
『君たちはどう生きるか』についてよくある質問をまとめてみました。Q1. この本って結局、どんな話?
→ 主人公・コペル君が、学校生活や家庭でさまざまな悩みや事件にぶつかりながら、叔父さんとのノートのやり取りを通じて「どう生きるか」を考えていく物語です。物語と哲学エッセイが交互に出てきます。Q2. 感想文って、どこから書けばいいの?
→ おすすめは以下の3ステップです。1. 心に残ったシーンやセリフを選ぶ
2. なぜ印象に残ったのかを自分の体験や考えに結びつける
3. 読んだ後の変化や学びを書き出す
Q3. どの章がわかりやすい?
→ 「いじめの事件」と「貧しい友だちとの出会い」のエピソードが特に印象的です。多くの中高生にとって共感しやすく、感想文にも書きやすいテーマです。Q4. 難しいところはどうすればいい?
→ 正直、哲学的な文章はちょっと難しいです(笑)無理して全部理解しようとせず、「この話は自分だったらどうする?」という視点で読むと、グッと読みやすくなります。
今回は以上です。
感想文のために読んだとしても
きっとこの本は人生を考えるきっかけになるかもしれませんね。
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